はじめに
人は誰しも、周囲の人との関わりの中で、不安や悩みを抱えて毎日生活を送っている。しかし、悩みを抱えているから不幸という訳ではない。多くの行動の選択肢があって、行動の先にたのしい、幸せな期待が持てれば、どの行動を選ぶか悩むこと自体楽しい作業になる。
例えば、友人と行く旅行の計画を決める際に立ち寄る場所を選んだり、恋人へのプレゼントを選んだりするときの悩みは、その先の楽しい時間や喜びを具体的にイメージできるので苦痛にはならない。また、実際にイメージしたことを実現するための計画を立て、行動に移すことができる。
一方で、苦痛になる人間関係の悩みを多くの人は抱えている。苦痛となる悩みを持つ人は、現状のつらい状況からなんとか抜け出して楽になりたいと思うばかりで、具体的な行動を起こせず、苦しみから抜け出せない。また、悩みの根本的な原因が分からず、苦しみから抜け出した先の幸せな状態を具体的にイメージできない。
自分が本当に実現したい状態をイメージできないため、苦しい状況を変える具体的な行動を考え出すことができず、自分が望まない行動を繰り返し、苦痛が延々と続いてしまう。
自分が本当に実現したい状態をイメージできないのは、他人の目から見たあるべき姿である理想像と自分の本音である願望を区別できていないためだ。理想像は人が社会で生きる中で身につけた、広く共有されている価値観であり、人の行動を方向付ける要因となる。簡単な言葉で表せば、「清く、正しく、美しく」である。
しかし、この理想像という価値観は自分が主体的に考え出したものではなく、感覚的には外部から自分にプレッシャーを加えてくる雰囲気とでも言うべき厄介な存在だ。
理想像に捕われると、理想に辿り着けない自分を責め続けることになり、悩みから抜け出せなくなる。悩みから抜け出すには自分の本当の願望を知る必要がある。願望を具体的に知ることで、願望を実現するための行動が見えるようになり、悩みから抜け出す行動を起こすことができる。
もし、今、あなたが抜け出せない悩みを抱えているなら、このサイトはきっとあなたの悩みを解消する手助けになるはずだ。以下の目次に従って、自分の願望を理想像と区別して認識する方法、願望を実現する過程で悩みを解消し、幸せを手に入れる方法を示してゆく。
目次(各ページへのリンク)
- 1.抜け出せない悩み
- ・理想像が長引かせる悩み
- ・願望と理想像は別物
- 2.悩みの状況把握
- ・悩みを環境と行動で表現する
- ・ストレス行動をピックアップ
- 3.自分の願望を探る
- ・心の奥に隠れている願望
- ・願望を知るための心の整理
- 4.悩みの原因を発見する
- ・願望とずれた行動が悩みを生む
- ・願望はいつ生まれたのか
- 5.悩みの解消に向けた行動計画
- ・願望実現に向けた行動
- ・願望実現の行動計画の作成
- 6.願望実現の行動を起こす
- ・悩みの解消から幸せの実現へ
- ・行き詰まっても行動し続ける
- 7.モティベーションを維持する
- ・振り返りの大切さ
- ・シンプルな心を保つ
- 8.願望実現の果てに
- ・願望を実現し続ける人生
- ・実現してはいけない願望
- 9.幸せになる
- ・幸せの実現
- ・あとがき
エッセイの他に願望に生きた偉人を紹介するコーナーがあります。